「改善改善って言うけど、私たちが遅いってこと?」

こんにちは、今村です

このコラムは、私の現場経験を中心に書いてます。
10年以上も現場にいると、ホント色々ありますよね。思い出したことを、気ままに書いてます。

まぁ、「へー、他の工場ってそうなんだぁ」みたいな、気楽な感じで読んでください。

目次

「改善」という名の呪文 〜植物工場の現場から〜

「改善改善って言うけど、私たちが遅いってこと?」

その言葉が飛んできたのは、LEDの青白い光に照らされた植物工場の作業場。真顔で言われたその一言に、私は思わず手元の作業を止めてしまいました。

多くの植物工場では「収益改善!」という社長お得意の掛け声とともに、みるみるうちに現場のノルマだけが増えていきます。よくある光景です。「作業スピードアップ」「人件費カット」という魔法の言葉がホワイトボードに踊り、気づけば現場では「もっと早く、もっとたくさん」という見えないプレッシャーがレタスよりも育っていくのです。

「改善」アレルギー

ある日の朝礼。上司が張り切って「今週から改善活動を強化します!」と発表した瞬間、作業員たちの表情がみるみる曇っていくのが見えました。まるで「また始まった…」と言わんばかりの空気感。

改善活動への不信感、というより「改善アレルギー」とでも呼びたくなる反応です。無理もありません。これまでの「改善」とは、たいてい「もっと汗をかけ」という意味だったのですから。

本来の「改善」とは?

実は本来の改善活動とは、現場をラクにするためのものなんです。より少ない労力で、より効率的に、そして何より安全に働ける環境を作ること。

でも、その本質はなぜか現場には届きにくい。

私の勤めていた工場では、改善活動の提案書には必ず「目的」「効果」「メリット」を書く欄がありました。しかし、その多くは上層部向けに書かれ、現場の人間にとっては「で?私たちにとって何がいいの?」という疑問が残るものでした。

コミュニケーションの断絶

ある日、私はあるベテラン作業員に聞いてみました。
「なぜ改善活動に消極的なんですか?」

彼女の答えは意外でした。
「改善自体は嫌いじゃないのよ。でもね、上からの『やれ』だけじゃ、やる気は出ないわ。私たちの声を聞いて、一緒に考えてくれるなら協力するわよ」

なるほど、彼女たちが求めていたのは、トップダウンの命令ではなく、対話だったのです。

データで語る説得力

翌週、私は思い切って現場データを可視化したグラフを持って朝礼に臨みました。

「この改善で作業が30%早くなり、残業が月10時間減ります。年間では◯◯円の削減。その分を賞与に回す提案を出しています」

数字とメリットを具体的に示したことで、現場の反応は一変。「それなら協力するわ!」という声まで上がりました。

改善は一度やって終わりではありません。植物が日々成長するように、改善活動も継続してこそ効果を発揮します。

さらに大切なのは、現場との対話を続けること。「この改善、実際どうだった?」「もっとこうしたらいいんじゃない?」という声を拾い続けることで、改善の質も上がっていきます。

現場と共に歩む改善

改善活動は、現場と一体となって進めてこそ真の効果を発揮します。私の経験から言えること、それは「現場の声を聴き、共に歩む」ことが改善成功の最大の秘訣だということです。

LEDの光に照らされた植物たちと同じように、現場の人々も適切な環境があれば、自ら成長し、実りをもたらしてくれるのです。

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