【2024年最新】植物工場の3つの種類を徹底比較(太陽光、併用、人工光)

こんにちは、今村です

植物工場という言葉を耳にする機会が増えましたが、「実際どんな種類があるの?」「それぞれ何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、太陽光型、併用型、完全人工光型の3つの種類を分かりやすく解説します。

それぞれのメリット・デメリットを、収益性や将来性、具体的なデータに基づいて徹底比較していきます。

この記事を読めば、各タイプの植物工場が持つ可能性、課題が見えてくるはずです。ぜひ最後まで読み進めて、植物工場への理解を深めていきましょう。

目次

植物工場の3種類

植物工場は、光源の種類によって大きく3つのタイプに分類されます。

  1. 太陽光型植物工場
  2. 併用型植物工場
  3. 完全人工光型植物工場

以下では、それぞれのタイプについて、特徴やメリット・デメリット、栽培に適した植物などを詳しく解説していきます。

1. 太陽光型植物工場

特徴

太陽光型植物工場は、その名の通り太陽光を主な光源として利用するタイプの植物工場です。施設は、屋根や側面の一部をガラスやビニールなどの透明な素材で覆った温室のような構造をしています。

太陽光を最大限に活用することで、電気代などのランニングコストを抑えられるのが大きなメリットです。

メリット

  • 初期費用が低い: 人工光源の設備が不要なため、他のタイプに比べて初期費用を抑えることができます。
  • ランニングコストが低い: 太陽光を主な光源とするため、電気代を大幅に削減できます。
  • 環境負荷が低い: 人工光源を使用しないため、CO2排出量を抑え環境負荷を低減できます。

デメリット

  • 天候に左右される: 太陽光の照射量は天候に左右されるため、安定した生産が難しい場合があります。日照不足や曇天が続くと、生育不良や収穫量の減少に繋がることも。
  • 広大な土地が必要: 露地栽培ほどではありませんが、他のタイプに比べて広大な土地が必要です。
  • 害虫リスク: 完全密閉型の植物工場と比較して、害虫のリスクが高まります。

栽培に適した植物

太陽光を好む、トマト、イチゴ、ピーマンなどの果菜類の栽培に適しています。

2. 併用型植物工場

特徴

併用型植物工場は、太陽光と人工光を併用するタイプの植物工場です。太陽光が十分に得られる時間帯は太陽光を利用し、日照不足の時や夜間は人工光で補います。

太陽光型と完全人工光型のメリットを併せ持つ一方、設備費用が高額になりやすいという側面もあります。

メリット

  • 天候の影響を受けにくい: 太陽光に加えて人工光も利用するため、天候に左右されず安定した生産が可能です。
  • 太陽光も活用してコスト削減: 太陽光を活用することで、完全人工光型に比べて電気代を抑えられます。
  • 幅広い植物を栽培可能: 太陽光と人工光の両方を活用することで、多様な品種の栽培に対応できます。

デメリット

  • 設備費用が高額になりやすい: 太陽光型と完全人工光型の両方の設備が必要となるため、初期費用が高額になりがちです。
  • 太陽光型の利点を十分に活かせない場合も: 立地や季節によっては、太陽光を十分に活用できないケースもあります。

栽培に適した植物

太陽光を好む植物、人工光でも生育可能な植物など、比較的幅広い種類の植物の栽培に適しています。

3. 完全人工光型植物工場

特徴

完全人工光型植物工場は、太陽光を全く利用せず、LEDなどの光源のみを用いるタイプの植物工場です。外部環境に左右されず、完全にコントロールされた環境下で植物を栽培できます。

メリット

  • 天候に左右されない安定生産: 天候に左右されず、年間を通して計画通りの生産が可能です。
  • 周年栽培が可能: 季節を問わず、一年中安定して植物を栽培できます。
  • 単位面積当たりの収量が高い: 多段式栽培を採用することで、限られたスペースでも多くの植物を栽培でき、収量向上に繋がります。
  • 害虫リスクを抑制: 密閉された空間で栽培するため、害虫の発生を大幅に抑制できます。
  • 都市部での生産が可能: 太陽光が得にくい都市部でも、場所を選ばずに植物工場を設置できます。

デメリット

  • 初期費用が高い: LED照明や空調設備など、初期費用が他のタイプに比べて高額になります。
  • ランニングコストが高い: 特に電気代などのランニングコストが高額になりがちです。

栽培に適した植物

光合成量の少ない葉物野菜(レタス、ハーブなど)の栽培に適しています。

植物工場の種類とその特徴の比較

以下の表は、太陽光型、併用型、完全人工光型の3種類の植物工場の特徴を比較したものです。

特徴太陽光型併用型完全人工光型
栽培形態の割合44%14%42%
主な光源LED 81%、ナトリウムランプ・蛍光灯等38%LED 96%、蛍光灯8%。LEDは主に2013年以降導入
水源井水62%、上水38%井水60%、上水33%上水78%、井水20%
CO2施用の有無83%で施用あり86%で施用あり89%で施用あり
主な栽培品目トマト類71%、イチゴ8%、イチゴ以外の果菜類8%、レタス以外の葉菜類6%トマト類27%、レタス類27%、花き20%レタス類91%
雇用者数(通年:正規)1~5人未満34%、5~10人未満34%。平均施設当たり9.8人平均施設当たり9.2人平均施設当たり8.0人
雇用者数(通年:非正規・パート)20~50人未満35%、50人以上24%。平均施設当たり44.0人20~50人未満31%、50人以上31%。平均施設当たり46.3人20~50人未満19%、50人以上21%。平均施設当たり28.3人
雇用者数(期間雇用)雇用なし除き1~5人未満26%。平均施設当たり9.6人平均施設当たり16.4人
主要品目における作業比率生産(特に栽培管理)35%以上で最多生産(特に栽培管理)35%以上で最多収穫27%、出荷24%、移植・定植19%、洗浄10%の順
労働時間当たり収量別決算労働時間当たり収量大の方が赤字比率小労働時間当たり収量大の方が赤字比率小
労働時間当たり収量別コスト比率収量多いほど人件費比率小収量多いほど人件費比率小
単収別決算単収大の方が黒字・収支均衡比率大単収大の方が黒字・収支均衡比率大
直近の決算黒字・収支均衡73%黒字・収支均衡60%黒字・収支均衡45%
年間売上平均4.3億円平均4.6億円平均1.9億円
栽培実面積(主要品目)別決算面積大ほど黒字・収支均衡の比率が高い面積大ほど黒字・収支均衡の比率が高い
栽培形態別コスト比率人件費30%台で最大人件費30%台で最大人件費30%台で最大、電気代27%
決算別コスト比率黒字では光熱費・減価償却費比率小黒字では光熱費・減価償却費比率小

※本比較一覧表で使用したデータは、一般社団法人日本施設園芸協会が実施した「大規模施設園芸・植物工場 実態調査・事例調査」の結果に基づいています。調査期間は令和4年11月から令和5年1月で、有効回答率は25.7%でした。

以下は本データを利用する際の留意点です:

  • 本調査は、日本施設園芸協会が毎年見直している配布先リストにある事業者に調査票を配布しているが、回答者は毎年同じではないため、データの継続性はなく、調査結果はその年ごとの回答者の実態を反映したものである。
  • その年ごとに調査に協力した事業者の状況を取りまとめた結果であり、全ての植物工場、施設園芸の実態を正確に把握したものではない。

植物工場を選ぶポイント

植物工場を選ぶ際は、以下のようなポイントを考慮しましょう。

  • スタートアップなどは、初期コストを抑えられる太陽光型や併用型がおすすめ
  • 高品質な植物を大量生産したい場合は、完全人工光型を選ぶとよい
  • 太陽光の利用度合いによって、コスト構造や生産特性が大きく異なることがポイント
  • 規模が大きいほど黒字率が高い傾向にある
  • ランニングコストや減価償却費が抑えられている事業者ほど黒字が多い

これらのポイントは、実際のデータからも裏付けられています。

比較一覧表を見ると、太陽光型や人工光型では、栽培実面積が大きいほど黒字・収支均衡の比率が高くなっています。また、黒字事業者は光熱費・減価償却費の比率が小さいことがわかります。

つまり、規模の経済を活かしつつ、ランニングコストと初期投資を抑えることが、植物工場の収益性を高めるカギといえるでしょう。

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まとめ

植物工場には、太陽光型、併用型、完全人工光型の3種類があり、光源や環境制御の方法が異なります。生産の目的や予算に応じて、適した類型を選択することが大切です。また、規模の大きさやランニングコスト、減価償却費の管理も、収益性に大きく影響します。データを見ると、これらの要因が黒字率に関連していることがわかります。

植物工場の導入を検討する際は、本記事で解説した特徴や選択のポイントを踏まえ、自社のニーズに合った類型を選びましょう。初期投資や運営コスト、栽培する植物の種類など、様々な要因を総合的に判断することが重要です。加えて、規模の経済を活かしつつ、ランニングコストと減価償却費を適切に管理することで、収益性の高い植物工場を実現できるでしょう。

今後、AIやIoTを活用した高度な環境制御により、さらに植物工場は進化していくことが期待されています。最新の技術動向にも注目しながら、植物工場の可能性を追求していきたいものです。

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植物工場で栽培することによるプラス面、マイナス面は?

植物工場で栽培するプラス面は、周年・計画生産が可能な点や、高品質な野菜を安定的に生産できる点が挙げられます。一方、マイナス面としては、初期投資や運営コストが高額になりがちな点が挙げられます。特に完全人工光型の場合、ランニングコストが高くなる傾向があります。

植物工場にはどんな種類がありますか?

植物工場には、太陽光型、併用型、完全人工光型の3種類があります。太陽光型は主に太陽光を利用し、併用型は太陽光と人工光を併用します。完全人工光型は人工光のみを光源とする施設です。それぞれ光源や環境制御の方法が異なり、栽培可能な植物の種類や生産効率、コストに違いがあります。

野菜を栽培する方法にはどんな種類がありますか?

野菜を栽培する方法には、露地栽培、施設栽培、植物工場などがあります。露地栽培は屋外で行う従来の栽培方法で、施設栽培はビニールハウスやガラス温室などの施設内で行う栽培方法です。植物工場は、環境条件を最適に制御して野菜を生産する施設で、太陽光型、併用型、完全人工光型に分けられます。

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