【2025/3】野菜高騰の今、植物工場が社会から求められている

こんにちは、今村です

2024年~2025年にかけて野菜の価格が急騰しています。

原因は、2024年も記録的な猛暑や少雨。

でも、野菜の価格が上がるってことは、ずいぶん前から予想されてました。

知っていましたか?

日本の農業は今、深刻な状況です。

高齢化が進む農家の数は年々減少していて、
10年後には、農家が一斉に消えてしまう可能性があるのです。

もしそうなれば、食べ物はどうなるでしょう?

この状況が続けば、私たちの食卓から新鮮な野菜が消え、さらに価格が高騰するかもしれません。

すごく怖い話なのですが、リアルです。

その対策として、日本は植物工場先進国である、ってことも活かしていこうぜ。
という内容の記事になっております。

植物工場のメリットとデメリットについては、
詳細を以下の記事に書いてます。あわせて読んでみてください。

目次

日本農業の「ヤバい状況」

日本の農業就業人口は年々減少していて、2020年には136万人にまで減少。

これは、10年前の2010年の205万人と比べて約34%も減少したことになります。

さらに、農業就業人口の平均年齢は67.8歳と非常に高く、高齢化が進んでいます。

特に問題なのは、高齢の農家が一斉にリタイアする時期が近づいていること。
60代後半から70代の農家が大量に引退すれば、手に入る食料がガクッと少なくなります。

それが2035年くらいまでに現実になります。

控えめに言って、「ヤバい状況」というわけです。

もちろん新規就農者は一定数いるものの、減少する農家数を補うには十分ではありません。
2022年の新規就農者数は、年間31,400人でしたが、全く足りません。

このペースでは、農家の減少に歯止めがかからない状況です。

つまり、農作物が今よりも貴重品になるかもしれないということ。
そうなれば当然ですが価格が上昇します。

大規模農家と農業法人の役割

とはいえ活路が全くない…、というわけでもないです。

小規模農家が減少する一方で、大規模農家と農業法人が注目されています。
農林水産省の統計によると、2015年から2020年の5年間で、売上高1億円以上の大規模農家数は1.2倍に増加しました。

大規模農家は、効率的な農業経営によるコスト削減と生産性向上を実現しています。
また、先進技術の導入にも積極的で、生産が安定しています。

農業法人も増加傾向にあります。
2015年から2020年の5年間で、農業法人数は22,800法人から30,700法人へと約30%増加しました。

消えていく農家の生産量と相殺できるくらい、大規模農家や農業法人の生産量が増加すると良いのですが…。

実際にどうなるかはわかりません。
そして、怖いポイントは正にこれ。

本当に怖いのは、何が起こるかわからないこと

農家数が減少する中で、日本の食料生産の将来は読みにくい状況。

たとえ農家数が減っても、全体の生産額はそれほど変わらないんじゃないか…?
という予測もあります。

実際、日本の農業生産額は過去20年間で、さほど変化していません。
2000年の農業総産出額は9.1兆円、2020年は8.9兆円なので、20年間でたった2%しか減ってないんですよね。

農家は減っているんだよね?なぜ産出額は減らないの?

この要因として考えられることは、年間売上が500万円未満の小規模農家は全体の80%を占めますが、500万円以上の売上がある農家は全体の20%しかいないこと。

しかし、この20%の農家が日本の農産物生産全体の80%を担っているのです。

つまり、生産の大部分は大規模農家である。ということです。

ってことは、小規模農家が減少しても影響は少ないだろう。という予測なわけです。

とはいえ、今後は農家の数が激減していくことは避けられません。日本の食料供給については、どうなるかがハッキリわからないというのが現状です。

ただ、大規模農家と農業法人の役割がますます重要になってくることは間違いありません。

社会から求められる植物工場の役割

そんな状況なので、植物工場への期待が集まるわけです。

植物工場は大規模に作物生産ができる上、価格上昇の一因である天候の影響が無いですからね。

日本は植物工場先進国であり、技術力が高いです。
今後も生産性を高めていける可能性があります。

では具体的にどんな役割を果たしてくれると、社会から期待されているのか、
大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 安定的な食料供給:
    気候変動や農家の減少に影響されない、安定的な食料供給体制。
  2. 食の安全性の確保:
    農薬の使用を最小限に抑えた、安全で高品質な野菜の提供。
  3. 地域経済の活性化:
    植物工場を核とした新たな農業ビジネスの創出と雇用の確保。

実際に植物工場でどんなことが出来るようになるのか。

詳しくは以下の記事で熱く書いております。こちらもあわせてどうぞ。

とはいえ、植物工場には課題もある

私は長年、植物工場業界にいます。

正直なところ、植物工場ビジネスには課題も多いです。
よく植物工場ビジネスは儲からないと言われることも多いです。

この点は、ちょっと世間のイメージに誤解もあるのですが…。
そのあたりは、以下の記事にも書きました。

植物工場の運営を安定させるには、なんといっても現場力を高めること。
これに尽きます。

どこの植物工場でも、教育や現場力の向上には苦労しているんですよね…。

私のサイトでは、現場力アップには欠かせないコンテンツを提供しています。

また、植物工場向けに様々なサポートも提供しています。以下のコンテンツを確認してください。

植物工場の現場管理で使えるお役立ちツールも提供しています。

以下からどうぞ。

植物工場は農業ではない?

植物工場は、従来の土を使った農業とは異なりますが、植物を育てて食料を生産するという点で、広い意味での農業と言えます。最新技術を駆使した新しい農業の形態と捉えることができます。

植物工場で栽培することによるマイナス面は?

植物工場は、初期投資が大きく、運営コストも高くつくことがデメリットです。特に、電気代などのエネルギーコストが大きな負担となります。また、完全人工光型の植物工場では、太陽光をまったく利用しないため、持続可能性の観点から批判を受けることもあります。

植物工場はなぜ赤字なのでしょうか?

植物工場は、高額な初期投資と光熱費などの運営コストがかかるため、収益性が低い傾向にあります。また、生産物の価格競争力が弱く、市場での販売価格が生産コストを下回ることが多いため、赤字になりやすいのが現状です。

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