植物工場立ち上げの苦労を経験し、学びを得た半生

植物工場との出会い

私が植物工場業界に興味を持ったのは、大学卒業後に入社した証券会社で、営業職として働いていた頃。当時、植物工場は「最先端の農業として期待される」と持て囃されていました。

証券会社にいると、こういった投資意欲を煽るキャッチコピーをよく耳にします。

そのキャッチコピーにうまく乗せられた私は、「この業界で働いてみよう」と思ったのです。

業界に入って思ったこと

2011年、運良くある植物工場の会社から内定をもらい、業界に飛び込みました。

初めて見た植物工場の内部は、まさにSFの世界。上下左右、見渡す限りのレタスが、人工光の下で育てられている様子は圧巻でした。

でも仕事を覚えていくうちに、ふと気づきます。植物工場の生産性は、最先端のシステムよりも、それを運用する「人」に大きく左右されるんだと。

この気づきは、その後の私の考え方の基礎になっています。

他社工場の立ち上げ・再生サポートの日々

2015年、株式会社ファームシップに転職。ここで私は、他社の植物工場立ち上げや再生のサポート業務を担当することになりました。

現地に住み込みで1~2年滞在し、毎日現場に通ってサポートと教育を行う仕事です。色々な現場に行くため、早いときは半年で引っ越したこともありました。

私はそのサポートチームのマネージャーとして、問題だらけの立ち上げをこなす度に、人を教育し、現場を安定稼働させるノウハウを積み上げていきました。

いま思うと色々ありました

時にはトラブルもありました。ある工場の立ち上げでは、人員不足と教育不足が重なり、初収穫日に大変なことに。

初収穫日は、同時にトリミングや包装などの作業も始まるので、作業量が一気に増えるんです。しかし、十分な人員を集められておらず、教育も行き届いていない状況。さらに予定よりも野菜が大きく育ってしまい、包装袋に入らないという問題も発生しました。

結果、作業は大幅に遅延。特に包装作業は深刻で、包装機を扱える人が1人もいない中、私1人で対応することに。試行錯誤しながら夜を徹して作業しましたが、なかなか進まない。

そんな状態は3日間続き、私はトイレと軽食以外、寝ずに60時間近く包装作業をやり続けるハメに。この経験で、立ち上げ初期の危機管理の重要性を身に染みて学びました…。

10箇所以上の植物工場運営に携わる

でも、そこまで大きなトラブルは稀です。

私は2011年から植物工場業界に携わり、これまで大小合わせて10箇所以上の植物工場運営に関わっています。日本トップクラスの生産規模を持つ工場もいくつか含まれていて、各現場の最前線で経験を積んできました。

特に、生産効率の改善とデータ分析のための帳票作成には力を入れてきました。プロジェクトの要件を分析し、生産プロセスの見直しなどを行うことで、生産性の向上に貢献してきたと思っています。

他社向けの教育プログラムも複数回実施するなど、教育活動にも幅広く携わってきました。具体的な教育目標を設定し、プログラムを企画・設計し、効果的なトレーニングを実施することで、参加者のスキル向上に貢献してきたと自負しています。

お仕事のご依頼について

現在は、株式会社ファームシップを退職し、フリーで活動しています。

主に当サイトを通じて、オンラインや現地でのサポートや教育の仕事を受け付けていますので、ぜひお声がけください。

その他にも、お仕事の種類はご相談に応じます。お問合せフォームから、お気軽にお問い合わせください。