植物工場の収量アップに必須!CO2施用の効果と具体的な方法

こんにちは、今村です

植物工場で高品質な作物を効率的に生産するために、様々な技術が活用されています。

その中でも重要な要素の一つが CO2施用(炭酸ガス施用)です。CO2は植物の光合成に不可欠な要素であり、適切なCO2施用は、植物の生育を促進し、収量増加、品質向上に大きく貢献します。

この記事では、植物工場におけるCO2施用の効果や具体的な方法、注意点などを詳しく解説していきます。

これから植物工場を始めようと考えている方、CO2施用についてより深く知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

CO2施用とは?なぜ必要なのか?

CO2施用とは、植物工場などの閉鎖環境において、CO2濃度を人工的に高めることで、植物の光合成を促進する技術です。植物にとってCO2は、人間でいうところの「食料」のようなものです。

光合成におけるCO2の役割

植物は、光合成によって、太陽光エネルギーを利用し、水とCO2から糖などの有機物を合成し、成長に必要なエネルギーを得ています。このことから、CO2は植物の生育に欠かせない要素であることが分かります。

光合成の化学式

6CO2(二酸化炭素) + 6H2O(水) + 光エネルギー → C6H12O6(グルコース) + 6O2(酸素)

植物工場におけるCO2不足

植物工場などの閉鎖環境では、植物の光合成活動によってCO2が消費され、外気よりもCO2濃度が低下しやすくなります。

CO2濃度が低下すると、植物の光合成速度が低下し、生育不良、収量減少に繋がることがあります。

一般的に、大気中のCO2濃度は約400ppmですが、植物の生育に最適なCO2濃度は、種類や生育段階にもよりますが、1,000ppm〜1,200ppmと言われています。

つまり、植物工場では、積極的にCO2を施用することで、植物の生育を促進し、収量増加を図ることが可能になるのです。

CO2施用による効果

植物工場におけるCO2施用には、以下のような効果が期待できます。

  • 収量増加: CO2施用によって光合成が促進され、植物の成長が早まり、収量増加に繋がります。
  • 品質向上: CO2施用は、ビタミンCや糖度などの栄養価を高め、品質向上に貢献します。
  • 生育期間の短縮: 成長促進効果により、収穫までの期間を短縮できる場合があります。
  • 生育の安定化: CO2濃度が安定することで、生育のバラつきを抑え、安定した生産が可能になります。

CO2施用のための設備

CO2施用を行うためには、CO2を発生させたり、供給したりするための設備が必要です。主なCO2供給方法には、以下の3つがあります。

炭酸ガスボンベ

最も一般的なCO2供給方法の一つです。ボンベに充填された高濃度のCO2を、レギュレーターを用いて減圧し、栽培室に供給します。

メリット

  • 比較的安価に導入できる。
  • 設置が容易である。

デメリット

  • ボンベの交換作業が発生する。
  • ボンベの保管スペースが必要になる。

液体炭酸ガス

液体状態のCO2をタンクに貯蔵し、気化させて供給する方法です。

メリット

  • 大量のCO2を供給できる。
  • ボンベ交換の手間が省ける。

デメリット

  • 導入コストが高い。
  • タンクの設置スペースが必要になる。

燃焼式CO2発生装置

プロパンガスや灯油などの燃料を燃焼させて、CO2を発生させる方法です。

メリット

  • ランニングコストが低い。
  • CO2供給量を調整しやすい。

デメリット

  • 燃焼による熱が発生するため、温度管理に注意が必要。
  • 排気ガス対策が必要になる場合がある。

CO2施用を成功させるためのポイント

CO2施用を成功させるためには、CO2濃度管理に加えて、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 環境制御との連携
    CO2施用の効果を最大限に引き出すためには、温度、湿度、光など、他の環境制御との連携が重要です。例えば、CO2濃度を高めても、光量が不足していると、光合成速度は頭打ちになってしまいます。
  • コスト管理
    CO2施用には、設備の導入コストやランニングコストが発生します。CO2施用による収益増加とコストを比較し、費用対効果を考慮することが大切です。

そして、最も重要なポイントを強調しておきます。それは、

収益性を改善したいとき、一番はじめに手を入れるべきはCO2だということ。

コントロールできる栽培環境は他にいくつもありますが、なぜCO2からなのか。

こういったノウハウを知っておくことで、現場の収益性を大きく高めることが可能です。当サイトでは、以下のように「収益性」に特化したコンテンツを提供しています。

まとめ

CO2施用は、植物工場における収量増加、品質向上、生育期間の短縮を実現するための有効な手段です。

CO2施用を成功させるためには、適切なCO2濃度管理、他の環境制御との連携、コスト管理など、様々な要素を考慮する必要があります。

CO2施用技術を適切に導入・運用することで、高品質な作物を効率的に生産し、植物工場経営の成功に繋げましょう。

こちらもオススメです

\ 無料でダウンロードできます /
養液栽培で使える、超シンプルな施肥設計ツール

SimpleFertは、

  • 超シンプルな構成で使いやすい
  • 単肥と配合肥料の両方に対応
  • マクロ不要で動作が軽快
  • 初心者でも扱いやすい

私が現場で、10年以上試行錯誤して生まれた、実践的なツールです。ぜひ養液栽培にお役立てください。

メールアドレスと氏名の登録のみで、ダッシュボードからダウンロードできます。

システムの都合上、「決済」などと表示されますが、無料です。

メールアドレス登録フォームへ

使い方はこちら

植物はCO2が必要ですか?

はい、植物にとってCO2は必要不可欠です。植物は光合成によって、光エネルギーを利用し、水とCO2から糖などの有機物を合成し、成長に必要なエネルギーを得ています。CO2は、植物にとって人間でいうところの「食料」のようなものです。

農作物は二酸化炭素を発生させますか?

いいえ、農作物は光合成によってCO2を吸収します。ただし、植物も呼吸によって、酸素を吸収し、CO2を排出しています。しかし、光合成によって吸収するCO2の量の方が、呼吸で排出するCO2の量よりも多いため、全体としてはCO2を吸収していると言えます。

炭酸ガス発生装置の燃料は何ですか?

炭酸ガス発生装置の燃料は、主にプロパンガスや灯油が用いられます。これらの燃料を燃焼させることで、CO2を発生させます。ただし、燃焼によって発生する熱や排気ガスへの対策が必要になる場合もあるため注意が必要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次