植物工場の高コストを攻略する突破口は、「大規模化」

こんにちは、今村です

植物工場は「高コストビジネス」 である。
そう言われることも多いです。

実際、苦しんでいる施設は多いですし、私もそう思います。

どれくらい苦しいかと言うと、
植物工場のサポートをしている私ですら、こんな記事を書いちゃうくらい。

植物工場って本当にビジネスとして成り立たないの?

いいえ、そんなことはありません。
実は、植物工場で収益を上げるためのキーポイント が存在します。

それが 「大規模化」 です。

工場を大きくすればするほど、コスト構造が劇的に変化し、収益性が向上する。

この記事では、そんな規模と収益性の関係について説明します。
全て読めば、植物工場ビジネスのリアルな姿が見えてくるはずです。

そもそも植物工場って?
という方は、以下の記事も参考にどうぞ。

目次

なぜ植物工場は、そんなに高コスト?

植物工場ビジネスで、まず理解すべきは「コスト構造」です。

一般的に植物工場は、露地栽培や施設栽培と比較して、初期投資、運営コストともに高額です。

なぜか?

その理由は、植物工場のコスト構造を紐解いていけばわかります。

1. ランニングコストが高い

露地栽培に比べると、植物工場は水道光熱費が高いです。

特に人工光の植物工場では、照明に使う電気代がとにかくヤバい。施設全体にかかるコストの3割位が水道光熱費です。

しかも、設備が多いからメンテナンスにも費用がかかるし…。

作物の栽培とか、人がやる作業は効率化されてますが、当然そのための設備には金がかかります。
見ての通り、設備の費用である減価償却費もなかなかの割合。

つまり、初期費用も高いということ。

    2. 初期費用も高い

    基本的に、
    露地<施設栽培<植物工場と、人工的な環境になるほど作物の栽培はカンタンです。
    栽培環境をコントロールしやすくなるんですよね。

    その分、設備にお金がかかりますが…。

    最も設備費が高額になるのは、人工光型の植物工場。

    工場の建設コストはもちろん。LED、空調、水耕栽培設備などなど。
    さらに最新設備をたくさん導入するほど、ドンドン費用が高額になっていきます。

    コストを抑える方法は一つ…「大規模化」

    そんな高コスト構造な植物工場。
    ですが、コストを抑える方法の一つが「大規模化」です。

    もちろん規模が大きくなれば金額が増えますが、生産量も増やせます。

    つまり、生産量あたりのコストは下がるってこと。
    工場を大きくすればするほど、色々な面で効率が良くなり、結果的に儲かるわけです。

    当たり前じゃん?

    と思うかもしれませんが、植物工場においては、このスケールメリットが重要なんです。
    なぜなら、先ほど分解したコスト構造を思い出してください。

    固定費が高かったですよね?

    だからスケールメリットが大きいってことなのです。

    小型の植物工場では、黒字化の難易度が高くなる

    じゃあ規模が大きくなると、どれくらいスケールメリットがあるのか?

    実際のデータを見るとよくわかります。
    人工光型植物工場では、施設の面積が広いほど利益を出しやすいです。

    大規模な植物工場では、自動化設備を導入することで、
    面積あたりの生産量を増やすことができます。

    これは、面積が増えるほど栽培スペースが増えますが、作業スペースなどは必ずしも増えるわけではないため。

    つまり、大規模な施設ほど栽培に使える面積が広いから生産量が増えるのです。

    逆に規模が小さいと、野菜1株を栽培するコストが高くなるんで、収益化がすごく難しいです。

    この話、植物工場の赤字を避けるためにはメチャクチャ重要なポイントです。

    関連した話を別の記事でも書いてます。
    よければ合わせてどうぞ。

    でも面積がデカければ儲かるほどカンタンじゃない

    植物工場は、規模を大きくすればコスト効率が上がり、儲かりやすくなる。

    ここまでは良い話ですよね。

    でも、ちょっと待ってください。
    大規模化すれば、誰でも簡単に植物工場でボロ儲けできる!
    …というわけではないんです。

    そりゃそうですよね。

    もし大規模化が、植物工場ビジネスにおける打ち出の小槌なら、
    みんな借金してでもデカい工場建てますって。

    現実は、そう甘くない。

    大規模工場運営の落とし穴にハマるな!

    工場は大きい方が良いって言ってたのに…
    何が問題なの?

    大規模工場の落とし穴を説明します。

    当たり前なんですけど、大きい工場だとランニングコストもそれだけ高いですよね?

    特に怖いのが水道光熱費。
    24時間365日、電気をガンガン使い続ける必要があるからです。

    そして人件費もヤバい。
    規模が大きくなればなるほど、たくさんの人員が必要になります。

    つまり、工場を大きくすればするほど、運転資金も青天井に膨らんでいく可能性があるわけです。

    運営に失敗すると、ずーっと大赤字を垂れ流すことになります。

    で、一番重要なポイントはここ。

    大規模工場ほど、ランニングコストを削減する必要があるから、
    現場改善のため、スタッフの技術力とノウハウの重要度が高くなる。

    現場スタッフのレベルが高い大規模工場は、ビジネス的に強いです。

    目指すべきはそんな工場というわけ。

    そんな効率的な現場を作るためのノウハウは、以下のコンテンツにけっこう書きました。

    少し値は張りますが、得られたノウハウを活用しての改善効果を考えると、
    費用対効果は高いと思っています。

    まとめ:植物工場。成功への「道」

    ここまで解説したように、植物工場で収益を上げるには、大規模化が有効な手段です。

    スケールメリットを追求することで、
    固定費を抑え、量産効果で利益を出しやすくなるのは間違いありません。

    しかし、大規模化はあくまで「入り口」です。

    工場を大きくしただけで、
    ビジネスがうまくいくほど、 植物工場は甘くありません。

    では何が必要か?

    それはズバリ、大規模化を「活かす」ための戦略と実行力です。

    例えば、工場建設に無駄なコストをかけてしまえば、膨大な減価償却費にずっと苦しむことになるでしょう。ランニングコストの削減もしかり。

    そうならないために、確かな知識とノウハウを身に着けましょう。

    サポートは私にお任せください。

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