イチゴやメロン、今熱い「植物工場✕果物」を現場目線で語る

こんにちは、今村です

「植物工場で果物!? え、できるの? 」

そう思った方へ。
実は近年、植物工場で果物を栽培するケースがジワジワ増えています。

これまで植物工場のイメージは、レタスやハーブなど、葉物野菜が中心でしたよね。

でも、ちょっと想像してみてください。

  • 真冬に、真っ赤に熟れたイチゴ。
  • 真夏に、みずみずしいメロン。

…ちょっとワクワクしませんか?

「いや、そもそも、なんで植物工場って葉物野菜ばかりなの?」
という方は、以下の記事も参考にしてください。

目次

植物工場では今、果物が熱い。その理由は?

近年、植物工場で果物を栽培するケースが増えています。

というのも、これまでは葉物野菜ばかりを生産してきた植物工場。
近年では、スーパーの売場には、すっかり「工場野菜」が定着しましたよね。

そんななか、業界からも世間的からも、「葉物野菜以外には無いの…?」という声が聞こえているとかいないとか。

少なくとも私は、よく現場の方に質問されます。
「レタス以外で何かないですか?」みたいな。

そこで、果物が注目されているというわけです。

まず、なぜ露地栽培ではなく植物工場なのか。
その理由から見ていきましょう。

メリット・デメリットを比較!露地栽培との違いは?

植物工場と露地栽培の違いを整理すると、こんな感じ。

植物工場露地栽培
初期費用高い低い
ランニングコストやや高い低い
環境制御可能困難
病害虫リスク低い高い
収量安定不安定
品質高い環境に左右される
周年栽培可能困難

植物工場では、初期費用やランニングコストが高くなるものの、栽培面に関して多くのメリットがあるんですよね。

そのため本来なら、高付加価値で高単価作物も栽培できるのです。

しかも場所を選ばないので、本来は果物栽培が難しい土地でも、植物工場なら可能というわけ。

メリットたくさん! 植物工場で果物栽培のスゴイところ

ちなみに、植物工場で果物を栽培するメリットを整理すると、

  • 一年中、おいしい果物が食べられる:
    植物工場は天候に左右されません。温度や湿度、光を徹底管理することで、季節に関係なく、いつでも安定した品質の果物を収穫できます。
  • 農薬を抑えて、安心・安全:
    害虫の侵入を防げる植物工場では、農薬の使用量を大幅に抑えることが可能。
  • おいしさも栄養も、ぎゅっと凝縮:
    果物にとって最適な環境を人工的に作り出すことで、露地栽培よりも、糖度が高く、栄養価の高い果物を育てることが可能。
    まぁ露地でも可能ですが、植物工場なら、そのあたりのコントロールがしやすいってことです。

このように、植物工場で果物を育てるメリットはたくさんあります。

特に、環境コントロールしやすくて、作物に付加価値を加えられるって点は、可能性の塊ですね。

じゃあなんでレタスばかりなのよ?

いや、そうですよね。
実際のところ、植物工場ってレタスばかりです。

「環境コントロールがしやすい」
↓↓
「じゃあ果物作ろうぜ!」

とはいかない理由としては、主にコスト面かな~。
他にも課題は色々あるんですが。

詳しい話は以下の記事で書いてます。気になる方はこちらへ。

簡単に言うと、

植物工場の設備って、収益化できる作物がかなり限られてます。
背が低くて、弱い光でも育つ、高単価で高回転、そんな野菜が理想なのです。

あ、と言っても、太陽光利用型の植物工場は別ですよ。
太陽光が使えれば光のコスト(電気代)はかかりませんからね。

人工光型の植物工場は光コストが膨大にかかるので、強い光を必要とする作物はムリ。というわけです。

どんな果物なら、植物工場で育つのか

それでは重要なポイント「どの果物を栽培するか」です。

結論から言うと、先程の条件、

  • 背が低くて
  • 弱い光でも育つ
  • 高単価で高回転

この条件を概ねクリアする品目として、イチゴが注目されています。

逆に言うと、メロンとかは厳しいというわけです。
背が高くなるし、育てるのに強い光が必要です。電気代により赤字まっしぐらです。

あ、これは人工光型の植物工場では、って意味ですよ。

太陽光利用型の植物工場では色々な果物が栽培可能です。太陽が光を無限に供給してくれるので。

イチゴだけじゃない!太陽光利用型植物工場で栽培できる果物

植物工場を広い意味で捉えると、太陽光利用型の植物工場も含まれます。
そうすると栽培できる果物はイチゴだけではありません。

例えば、

  • メロン
  • トマト
  • ブルーベリー
  • ブドウ
  • イチジク

など、様々な果物の栽培が可能です。

【儲かる果物】高単価&人気急上昇中の品種

植物工場は、環境コントロールが強みですよー。ってことは説明しましたね。

上手に環境をコントロールできれば、作物に様々な良い変化を起こすことができます。
つまり、単価を高めることができるのです。

例えば、近年では、

  • 高級メロン: 糖度が高く、希少価値があるため、高価格で販売できる
  • 機能性トマト: GABAやリコピンなどの機能性成分を豊富に含むトマトは、健康志向の消費者から人気が高い
  • オーガニックブルーベリー: 農薬を使わずに栽培されたブルーベリーは、安心・安全志向の消費者から支持されている

などが注目されています。

植物工場での果物栽培は、植物工場業界が次のステージへ進む可能性を秘めています。
ぜひこの記事を参考にして、農業ビジネスの未来を描いてみてください。

イチゴの植物工場栽培における課題は何ですか?

イチゴは光要求量や樹高の面で植物工場に適していますが、課題もあります。
まず、イチゴは他の果物に比べると光要求量が低いとはいえ、葉物野菜よりは高いため、十分な光量の確保が必要です。
また、イチゴは果実の軟化や変形を防ぐため、温度や湿度の精密な管理が求められます。
さらに、垂直栽培では株間が狭いため、病害虫が蔓延しやすく、予防と早期発見・駆除が重要になります。

植物工場で果物を栽培するメリットはありますか?

植物工場での果物栽培の最大のメリットは、周年・計画生産が可能な点です。
露地栽培では不可能な時期に出荷できるため、市場での差別化につながります。また、施設内での栽培のため、天候の影響を受けにくく、安定した品質と収量が期待できます。
さらに、環境制御により糖度等の品質の向上や機能性成分の強化が図れる可能性もあります。

植物工場での果物栽培の将来性をどう見ていますか?

植物工場での果物栽培は、まだ発展途上の分野ですが、将来性は大いにあると考えています。
特に、イチゴの成功事例を参考に、他の果物への応用が進むことが期待されます。
また、品種改良による植物工場向け品種の開発や、AI・ロボット技術の活用による自動化・省力化など、技術革新によるコスト削減の可能性もあります。
市場ニーズを的確に捉えた高付加価値商品の開発と、継続的な技術革新が鍵を握るでしょう。

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