工場野菜の種類が葉物ばかりなのは、投入コストの回収率が要因

こんにちは、今村です

植物工場では、レタスやホウレンソウ、小松菜などの葉物野菜が多く栽培されています。

その理由は、葉物野菜が植物工場での栽培に適した特性を持っているからです。この記事では、葉物野菜が植物工場に適している理由を、生育特性や経済性の面から詳しく解説します。

目次

植物工場とは

植物工場とは、温度や湿度、光、二酸化炭素濃度などの環境条件を人工的に制御し、周年・計画生産が可能な室内農場のことです。露地栽培や施設園芸とは異なり、外部環境の影響を受けずに安定的に生産できるのが特徴です。

葉物野菜の生育特性と可食部の割合

葉物野菜が植物工場に適している第一の理由は、その生育特性と可食部の割合の高さにあります。

葉物野菜は、葉が主要な可食部であり、植物体全体に占める葉の割合が高いのが特徴です。また、葉の生長が速いため、種まきから収穫まで30〜40日程度と短期間で済みます。この特性により、葉物野菜は植物工場での周年・多段階栽培に適しているのです。

植物工場での栽培に適した作物の条件

植物工場での栽培に適した作物の条件は、以下の3つが挙げられます。

  1. 短期間で収穫でき、単位面積あたりの収量が高いこと
  2. 環境制御により連続的に生産できること
  3. 栄養成分や機能性成分などの付加価値が高いこと

葉物野菜は、これらの条件を満たしています。例えばレタスの場合、播種から収穫まで30〜40日程度と短く、施設内の環境制御により年間を通して連続生産が可能です。さらに、葉物野菜の中には、栄養成分やビタミン、ミネラルなどの含有量が高い品種もあり、付加価値を高められる可能性があります。

コスト回収率の重要性

そして何と言っても植物工場は、初期投資と運営コストが高いのが課題です。施設の建設費や空調設備、照明設備などの初期投資が大きく、電気代などのランニングコストも高額になります。

植物は、光合成によって生成した糖などの産物を、葉や根、果実など様々な部位に分配しています。可食部以外の部位に多くの光合成産物が分配されると、投入した資源が無駄になってしまいます。さらに、可食部以外は収穫後に廃棄されるため、せっかくの投入コストを捨てることになるのです。

植物工場では、光や二酸化炭素、養液など、全ての生産資源にコストがかかります。光合成産物の分配の偏りによるロスが大きいと、採算が合わなくなる恐れがあります。

葉物野菜の場合、光合成産物のほとんどを葉に分配するため、資源を無駄なく製品に変換することができます。葉への光合成産物の集中が、植物工場での高い生産性とコスト回収率に結びついているのです。

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まとめ

植物工場で葉物野菜が多く栽培される理由は、以下の5つにまとめられます。

  1. 植物体全体に占める葉の割合が高く、短期間で収穫できる
  2. 葉が主要な可食部で、回転率が高い
  3. 環境制御により連続的に生産できる
  4. コスト回収率が高く、植物工場の投資回収に貢献する
  5. 光合成産物のほとんどを葉に分配し、資源を無駄なく活用できる

高コストな植物工場では、これらの特性を備えた葉物野菜が最適な選択肢となっているのです。葉物野菜の生育特性と光合成産物の分配が、植物工場という人工環境の特性とマッチしているからこそ、多くの植物工場で葉物野菜が栽培されているのです。

植物工場の生産性とコスト回収率を高めるには、葉物野菜のような短期収穫でロスの少ない作物の栽培と、効率的な環境制御や自動化などの技術開発が不可欠と言えるでしょう。

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植物工場の弱点は何ですか?

植物工場の最大の弱点は、初期投資と運営コストの高さです。施設の建設費や空調設備、照明設備などの初期投資が大きく、電気代などのランニングコストも高額になります。また、高度な環境制御技術や栽培ノウハウが必要なため、専門人材の確保も課題となります。

植物工場のレタスの特徴は?

植物工場で栽培されるレタスは、周年で安定した品質と供給量が確保できることが大きな特徴です。高度な環境制御技術により、季節や天候に左右されずに計画的な生産が可能です。また、無農薬が基本であり、安全性の高さも特徴の一つです。さらに、植物工場独自の品種開発により、味や食感、機能性成分などに特化したレタスの生産も可能になっています。

植物工場で作られる野菜は?

物工場では、レタスやホウレンソウ、小松菜などの葉物野菜が主に栽培されています。その他にも、ベビーリーフ、サラダ菜、ルッコラ、ハーブ類など、様々な品目が栽培可能です。近年では、イチゴやトマトなどの果菜類、マイクロ野菜なども植物工場での栽培が試みられています。

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