FAXー農業分野で大活躍の通信手段

こんにちは、今村です

このコラムは、私の現場経験を中心に書いてます。
10年以上も現場にいると、ホント色々ありますよね。思い出したことを、気ままに書いてます。

まぁ、「へー、他の工場ってそうなんだぁ」みたいな、気楽な感じで読んでください。

目次

皆さん、こんな経験ありませんか?

皆さん、こんな経験ありませんか?大事な書類がFAXで送られてきたのに、肝心な部分だけ真っ黒に潰れている…。「ここ、何て書いてあるんだろう?」と頭を抱える瞬間です。

農業分野のデジタル化は、他産業と比べるとまだまだ”よちよち歩き”の段階。

農産物は自然が相手だけに品質や規格がバラつきやすく、きっちり数値化・電子化するのが難しいんですよね。でも、それだけが理由なのでしょうか?

FAXと晩酌と私の闘い

私の忘れられない”デジタル化の壁”体験をお話しします。

毎日18時頃になると、ある常連のお客様からFAXで翌日分の注文が送られてくるのが日課でした。すぐにその数量で出荷の準備をするのですが…ここからが悲劇の始まり。

「明日の小松菜は…え?この数字、3なの?8なの?潰れてる!」

FAXの文字が潰れて読めないことが、もう本当によくあったんです。その度に確認の電話をかけることになるのですが、これがまた一苦労。

「すみません、FAXの注文数が見えなくて…小松菜は何袋でしたっけ?」

電話口で一つずつ確認する不毛な作業。この確認が遅れるほど、その日の出荷が遅れます。運良く電話がつながれば良いのですが、「お客様は現在電話に出られません」なんてアナウンスを聞くと、思わず天を仰ぎたくなります。

さらに悲劇なのは、18時頃という時間帯。
お客様がすでに晩酌モードに入っていることも…。

「あぁ~?FAXが見えないって?ちゃんと送ったよ~。小松菜は…(氷の音)…5袋だよ!」

「メールにしませんか?」と何度か提案したのですが、「FAXが一番楽なんだ」の一点張り。デジタル化の前に立ちはだかる”習慣の壁”を肌で感じた瞬間でした。

あなたの現場は紙派?データ派?

さて、皆さんの施設では、日々の記録はどうしていますか?紙のノートにサラサラとペンで書いていますか?それともタブレットでタップタップ?

基本的には、多くの記録はデータ化した方が断然便利です。特に栽培データや生産物データは、後から「この時期の◯◯と△△には相関があるのでは?」と分析できてこそ価値があります。紙の記録だと、そのためだけに再入力する悲劇が待っています(やったことある人、手を挙げて!)。

GGAPなどの認証のときも、スマートに「はい、データです」と差し出せるとカッコいいですよね。

でも待って!すべてをデジタル化すべきかというと、そうでもないんです。

清掃チェック表や日常点検表は、紙の方が便利なこともあります。「今日のトイレ掃除、済んだよ!」とサッと〇をつけるなら、アプリを立ち上げてログインして…より断然早い。

世代間ギャップも現実問題

「うちのおじいちゃん、スマホの電源の入れ方から毎回聞いてくるんですよ~」

植物工場には幅広い年齢層の方が働いています。若い方なら「紙の記録って面倒くさくない?」と思うかもしれませんが、デジタル機器が苦手な方にとっては、紙の方が安心感があるのも事実。

でも、諦めるのはまだ早い!最近では、おじいちゃんおばあちゃん世代もLINEでスタンプを送り合う時代。「これ使えないよ~」と言っていた方が、教えてみると意外とすぐに使いこなせるようになったりします。

現場に合った”ちょうどいい”デジタル化を

結局のところ、紙とデータの使い分けは現場の実情に合わせるのがベスト。すべてをデジタル化することが「正解」なのではなく、それぞれの良さを活かした”ハイブリッド運用”が現実的です。

FAXに固執するお客様も、紙の記録に安心感を覚える先輩も、決して「遅れている」わけではないのかもしれません。大切なのは、現場の声に耳を傾けながら、一歩ずつ変化を促していくことではないでしょうか。

あなたの現場では、明日からどんな小さなデジタル化に挑戦できそうですか?

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